研修会社経由でお願いしている講師に対し、クライアントが直接取引したいと講師に持ち掛けるケースは数多くあります。
研修会社の営業担当者にお願いした話がキチンと講師に伝わっていない、クライアントに対する報告・連絡・相談が不足、営業担当者の段取りが悪い、営業担当者が講師とクライアントの良好な関係性に甘えて、研修を放ったらかし…など理由のほとんどは、金銭的な理由よりも、研修会社や営業担当者の対応に不満があるようです。
同じ商品をA店から購入しようと、B店から購入しようと、もしくはメーカーから直接購入するかは購入する側の自由ですから、同様に講師をどのルートで依頼しようと直取引しようと、それはクライアントが選択権を持っているハズ。
また、こういう研修会社(または担当者)の場合、実は講師も研修会社に同様の不満を持っているケースが多く、直取引に講師の薬指が動くこともしばしば。
しかし、講師との直取引はメリットも多い反面、デメリットもあります。
一番のデメリットは急に講師が登壇できなくなること。
講師が体調を崩したり、入院したり、不慮の事故に遭って登壇できなくなることも可能性はゼロではありません。
基本的にパッケージ商品を売っている研修会社以外、ほとんどの研修は講師が持っている独自のコンテンツを使う(販売)場合が多いので、もともと講師は代わりがきかないものですが、それでもイザと言うときに代役を用意できる研修会社なら、最悪カリキュラムが変わっても研修を実施することは可能です。
また、講師の立場からすると、ここでクライアントとの直取引に応じてしまい、そのことがその研修会社に知られると、次から他の案件依頼が来なくなることが予想されます。
加えて、直取引は道義に反すると考える真面目な講師もおおいものです。
ここは、もう一度研修会社の責任者にキッチリと要望を伝えて、対応の改善を促すべきでしょう。
大切な従業員を預ける研修です。
伝えるべきことははっきり伝えてみてはいかがでしょうか。
それでもダメなら、大変残念ですが、研修会社と講師の両方を変えることでしょう。