研修で学んだことを、ひとつだけ良いので“実践する”ことです。
一日研修や二日間研修を受講すると、新しい知識を得たり、講師や仲間から新たな視座をもらったり、考えて言葉にすることで自分自身に気付きがあったりと、数おおくの刺激があるものです。
しかし、人は昨日学んだことの70%を翌日には忘れてしまうと言われています。
まして、忙しい日常の業務に戻れば研修内容などあっという間に忘却の彼方に。
これでは研修をする意味が十分とは言えません。
研修を研修だけで終わらせないためにも、研修で学んだ事を実践に活かさなければならないのです。
そのために必要なことが、研修で学んだ事をひとつでも良いので実践に取り入れること。
つまり、ひとつだけで良いので、日常業務の仕事を変化させることが重要です。
とは言え、誰でも慣れ親しんだやり方や仕事のすすめ方を変えるのはおっくうなもの。
そこで登場するのが研修終了時に作成する『職場実践シート』。
職場実践シートは、別名アクションプランシートや行動シートとも呼ばれるもので、今回の研修で何を学び、日頃の自分に対する改善点を見つけ出し、明日からどのように仕事を変化させるのか?という“改善目標”を研修時間中に宣言して職場に持って帰るものです。
内容は、できれば直属の上長と共有して一カ月後から一年後までの自分の変化を追いかけます。
その時点で、次の研修を企画して前回の研修で宣言した成長項目を振り返る。この繰り返しが従業員の育成に連動します。
ポイントは、進行具合は本人任せにせずに上長とチェックしあいながら進めること。
もうひとつが、職能資格制度の評価項目と重ならないようにすること。
職能資格制度や人事制度上の評価項目と、職場実践シートで掲げた改善目標が同じだと、受講生にとってはひと手間省けた印象となり職場実践シートは活用されません。
職能資格制度に掲げられた目標が「後輩指導を行う」など概念的なものであれば「課員全員に毎日ひと声かける」など、具体的かつ簡単に実践できる項目を。
制度目標が細かなものであれば、職場実践シートの項目は簡単で取り組みやすい項目を掲げるのが良いでしょう。
研修に多額の費用と時間と労力を割くのであれば、研修はより効果的なものにしたいですね。