不特定多数の集まるビジネスセミナーでは、セミナー初めの挨拶、終わりの挨拶(いわゆる“号令”)は行いません。
企業内研修の場合は、研修開始と終了時、および休憩の前後の挨拶は実施します。
研修講師によっては研修開始の「よろしくおねがいします」と休憩前の「ありがとうございました」は省略される方もおられます。
もちろん、必ず挨拶が必要・・・と言うことはありません。
しかし、休憩後の研修開始前に“休憩はおわりですよ、これから講義にはいりますので気を引き締めて、ちゃんとやりましょう”。
また、休憩前には“研修に積極的に参加してくれてありがとうございました。これから休憩ですから、休憩時間中はしっかり休んでくださいね” と言う講師からのメッセージを伝えるためにも、わたしは号令による挨拶は行うべきだと思っています。
わたしは、この休憩前後の号令を外部講師の研修だけでなく、社内講師によるインハウスの研修でも勧めています。
社内講師による研修の場合、どうしても管理職が講師になるケースが多く講師は強い態度で臨みがちです。
そのため、研修の中にも組織のヒエラルキーがそのまま移行されてしまい、従業員は講師である管理職に従う『講義を受けるだけの生徒(=受講生)』になってしまいます。
これでは主体性も薄れますし研修効果が十分とは言えません。
また、お互いに“宜しくお願いします”と言うリスペクトの気持ちがありません。
やはり、講師も頭を下げ、受講生もよろしくお願いしますと言うメッセージをお互いに送ることが、社内研修でも必要ではないでしょうか。
すこし、話しは逸れますが・・・・
以前、部長研修が終わった後にひとりの受講生がわたしのところにやってきて「先生、これ(挨拶)いいなぁ。ウチの部門会議でもやってみます」と言われました。
なんでも、研修開始と終了時に改まって号令による挨拶をすることで、今日は気持ちが新鮮になった・・・とのこと。
聞くところによると、その部門の会議はいつも締まりがなく、遅れてくるメンバーもいたり、会議資料を読んでこなかったりで、なんとかならないか?と、改善策を考えていたそうです。
そこで、改まって会議開始の最初と最後に号令をかけて挨拶する。
参加人数に係わらずお互いに「これから大事な会議をするんだ」と言う意識を持つ。部長も全員に「よろしくお願いします」と、頭を下げる。
終わったら全員で「ありがとうございました」と言う・・・。
これだけのことなので明日から直ぐにできそうですし、その話を聞いて私も会議の雰囲気が少し変わりそうな気がしました。
部長が会議の場で実践されたかどうかは定かではありませんが、なんだかその光景を想像するだけでも、イイ感じがしてこちらも笑顔になります。
たかが挨拶、されど挨拶・・・なのでしょうか。