ずいぶん以前の新聞記事ですが「転職して想定外だったこと」として、過去3年間に転職した経験を持つ20~50代男女1546人を対象に、インターネット上でアンケート調査したところ、下記のような結果が出ていました(カッコ内は票数)。
【1位】社内研修が不十分(435)
【2位】サービス残業が当たり前の職場だった(406)
【3位】ワンマン社長や親会社などの支配が強く、現場に決定権がない(324)
【4位】事前説明にあった仕事に加え、別な業務も任される(319)
【5位】周囲に退職者が多く、将来的な不安がある(271)
【6位】転職者は即戦力として現場からの期待が大きすぎる(266)
【7位】事前説明にあった業務内容と実際の仕事内容が違う(243)
【8位】福利厚生の制度が前の会社に比べ整っていない(220)
【9位】仕事量が多く、休日出勤を強いられる(212)
【10位】入社直後から業績悪化に陥った(206)
10位の「入社直後から業績悪化に陥った」は大変不幸な境遇で、転職者からすれば「そもそも業績悪化するのがわかっているのなら、中途採用するなよ」と言いたいところかもしれません。
7位の「事前説明にあった業務内容と実際の業務内容が違う」や、4位の「事前説明にあった仕事に加え、別な業務も任される」なども、なりふり構わず人が足らずに人材採用を行う企業によくある出来事です。
そして、1位が「社内研修が不十分」は、十分なOJTを行わずに、一通りの“説明”だけして現場に配属する、いきなりお客様の前に出させる…などのムチャな採用・配属の仕方が入社した人材を驚かせるポイントなのでしょう。
これらの10項目は、いずれも新入社員に限らず中途入社の社員も“早期退職”するに十分な理由がある項目ばかり。
これでは、人材は定着しません。
まず、どの項目にしても共通して言えることは『社員を、人として大切に扱っていない』ことだと感じます。
もし、転職して入社した人材が自分の家族だったら…、そもそも、自分が転職者の立場でこの会社に入社したら…と考えれば、容易に想像がつくのではないでしょうか。
「この程度は我慢するべきだ」と考える経営者の方もおられますが、優秀な人材を採用してもすぐに退職してしまっては、また新たな採用活動をして一から教えなければなりません。
この状況を延々と繰り返すのか・・と考えれば、今が改善の時かもしれませんね。