どのクライアントだって、よい研修会社とお付き合いしたいですね。もちろん、研修料金も大切ですが安かろう悪かろうでは、研修を実施する意味がありません。
では、よい研修会社とはどのような会社なのでしょうか。
それは『知識、段取り、コンサルテーションの3要素をバランスよく保有している研修会社』です。
良い研修会社の営業担当者が持つ、研修に関する幅広い知識
良い研修会社の営業担当者は、クライアントの味方になってくれます。
クライアントが従業員に対して日々感じている問題点を共有し、未来像を考え、そこから逆算して今従業員に何をしなければならないかを一緒になって考え、研修と言う場を通じてクライアントの想いを体現し、研修後の成果につなげることができます。
そのために求められる研修会社の必須要件は、まず研修に関する幅広い『知識』があるかどうか。
大手の研修会社だと自社のパッケージ商品やオリジナルコンテンツを保有しており、それらの知識は持っているものの、クライアントの抱える問題点には無関心。
逆にクライアントから従業員教育や育成に関する悩みの相談をされても困ってしまう。
なぜなら、営業担当者の仕事は研修と言う自社オリジナルパッケージ商品を販売するのが仕事であって、顧客のお悩みを改善するのは仕事ではないから。
もちろん、クライアントがそのパッケージ商品を購入したいのなら一向にかまいません。
しかし、「従業員の育成で困っている。なんとかしたい!」と思っているクライアントがこんな研修会社の営業担当者とあたってしまうと悲惨ですね。
実際のところ、研修会社の責任者と話をすると若手社員や中途入社で業界経験のない営業担当者に「知識をつけさせるのは至難の業」と言われます。
それだけ、研修の営業は難しく、幅広い知識を必要とされる特殊な営業。
結局のところ、訳も分からずお客様のところに行き、恥をかきながら少しずつ知識を蓄えるという形態になりがちなのです。
良い研修会社の営業担当者に必要とされる段取り力
さて、研修の知識の次に、研修会社の営業担当者に必要とされるスキルが『段取り力』です。
クライアントが研修を検討し始めて、研修当日までの準備期間の間、クライアントと研修会社は何度もやり取りしなければなりません。
また、その研修営業担当者は並行して講師ともやり取りをしなければならないのですが、この営業担当者に段取り力がなければ、こちらも悲惨。
クライアントの担当者は研修当日まで(いや、研修終了後も)何度もイライラする羽目になります。
ちなみに、こういう営業担当者の場合は、同様に講師もイライラしているケースがほとんどです)。
しかし、この段取り力はやり取りを始めなければ見極めることがムズカシイ…。
でも、それを知る手はあります。
「今度、従業員の段取り力を向上させる研修を検討しているのだけれど、御社の段取り力向上研修の内容って、どのようなものですか?」と、聞いてみてください。
「それは…」と言って、自社のパンフレットをパラパラめくって段取り力向上研修について話しだしたら、この営業担当者の段取り力はアヤシイものです。
そもそもビジネスの世界に『段取り力』と言う“チカラ”などは存在せず、一般的に言われる段取り力とは、従業員の持つ仕事に対するマインドや職業観。
業務に向かい合う姿勢、周囲の人と良好なコミュニケーションを取ることができる力、時間を効率化して高密度な仕事ができるタイムマネジメント力、無駄なく論理的に思考して成果に結びつけようとする意識、組織の仕事を俯瞰的に観るチカラ…など、自分の仕事をP-D-C-Aで回すための総合的なスキルのことだからです。
これらのスキルをひっくるめて『段取り力』と言うのですが、段取り力のない営業マンは、ほいきた!とばかりにパンフレットを取り出します。
つまり、自分が「そもそも、段取り力とはなにか?」を自問自答したことがないため、パンフレットに頼らざるを得ない…と言う訳。
デキる営業担当者は段取り力についてクライアントから尋ねられたら「もう少し具体的に、どのようなシチュエーションで段取り力がないと感じられるのですか?」などと、一歩突っ込んだ質問をしてくるはず。
研修会社決定後にイライラして研修担当者自身の段取りが悪くならないように、よい研修会社、よい研修営業担当者と仕事をしたいものですね。