インターネットの普及に伴って社会人の学びの世界にもオンライン学習と言う言葉が生まれて15年余り。
また、オンライン学習は学生や受験生の学びだけでなく、社会人の自己啓発でもSD(SelfDevelopment)の有効な手段として確立しています。
また、ビジネスセミナーの世界においても、この10年でウェビナーと呼ばれるビジネスセミナーが数多くみられるようになっています。
しかし、なかなか手付かずだった領域がwebによる『研修』。
いわゆる集合研修(Off-JT)と呼ばれる企業内研修です。
では、なぜ講演やビジネスセミナーがインターネットの普及と共に拡大していったのに対して、研修はリアルなオフラインの形態が長く続いたままなのか。
今回から3回にわたって、講師の立場から未来のリモート研修について考察してみたいと思います。
まず、講演やセミナーがオンライン化しやすいことに対して、企業内集合研修がリモート化が進まない理由。
そのひとつが、講演の先生やセミナーの講師と違い研修講師に求められる要素と研修に期待される役目が異なっているからです。
例えば営業と言うキーワードの場合。
講演では営業関連のベストセラーを書いた著者や有名人が先生と言う立場で登壇します。
参加している方々に対してはイイ話しが聞けた、なんだか出来る気になった…と言う感想を持たせることが必要です。
臨場感あふれる講演で聴講者に対して「なるほど!」と思わせるノウハウや、講演者の失敗談や挫折を乗り越えてきた経歴なども聴講者が聞きたい大切な講演の要素でしょう。
一方、ビジネスセミナーになると講師の知識の質と量が求められます。
加えて、講演と違ってセミナーの場合は比較的長時間となるため、受講生を飽きさせないトークや話術も必要でしょう。場を盛り上げることも必要ですから、講師は単に知識だけでなく“伝える技術”を保有している必要があります。
営業と言うキーワードなら講師のアイコンそのものが営業であり、属している会社も営業セミナーをウリにしている会社が多いようです。
リアルなビジネスセミナーに限らず、ウェビナーにおいても臨場感だけでなく少しピリッとした話を加えて緊張感も醸し出しながら受講生の興味を継続させるスキルも必要でしょう。
では、研修講師にはどのような要素が求められるのでしょうか(続く)。