企業研修でも、たまに県や市の公共施設を使って研修を実施する場合があります。
○○市民センターなどと呼ばれる会場ですが、そんな会場を利用するときの注意点として
- 開錠できる時間(教室のカギを貰える時間)
- カギの返却時間を確認し、必ず余裕を持った時間帯で借りること
が重要です。
まず研修を開始するには、さまざまな準備が必要です。
スクール形式に並べられた机を『島型』に変えたり、プロジェクターやスクリーンを準備したり。
そのために、できれば研修開始30分前には一通りこれらの準備が整い受講生を迎えたいものですが、公共施設の場合は鍵の受け取りは予約時間の15分前…と言う施設が多数。
そのため、9時研修開始にしてしまうと8:45にカギを受け取って、開錠して、机をセッティングして…おまけに公共施設で借りるプロジェクターはケーブルが断線していたり、形式が古くて輝度がでなかったりすることもあり、機器の交換や施設の人を呼んで調整したり…と思わぬところで障害や研修開始遅延が起こりやすいものなのです。
これでは、研修開始に締まりがなくゴタゴタと9時15分あたりに研修が始まることになってしまいます。
また、研修終了時間は鍵を返却する1時間前には終了するように研修会社や講師に依頼しましょう。
18時まで教室を借りられるからと研修終了時間を同時刻に設定してしまうと、ほぼ確実に鍵の返却は間に合いません。
夜間18時からの会場利用者が廊下で待っていたり、酷い場合は係員から退去を求められたり、次回から借りられなくなったり。
もし、18時まで会場を借りているなら研修終了時間は17時に設定しましょう。
これなら、アンケートの記入や回収、机の原状復帰などの時間を入れても余裕をもって鍵の返却も可能です。
次に、会場そのものについての注意点です。
公共施設の教室を研修会場として使用する場合に、気を付けないといけない最初の点が
『施設利を利用する団体が多岐にわたる上に、各教室の防音が十分でない』
と言う点です。
ホテルの会場や民間の研修会場であれば使用目的がほぼ決まっており、加えて防音対策もしっかりしています。
基本的に他の教室の声や音が漏れ出てくることはなく、思う存分研修を実施することが可能です。
しかし、公共施設の場合は隣の教室の借り手が研修利用であるケースはほとんどありません。
筆者の体験では、地域の団体が隣の教室で夏の盆踊りの稽古をはじめたため、数時間にわたって民謡が流れてきました。
また、役者のコンテストが開かれていた時も数時間、奇声をあげられていた経験もあります。
反対に向かいの会場が静かな「ヨガ教室」だったため、こちらの研修に対して“大きな声を出さないように”と注意を受けたケースもあります。
また、気を付けないといけない点の2番目として『利用規制がある』点です。
6月下旬に実施したある自治体の研修では、その年の異常気象で室内が高温になったものの施設の空調(冷房)が7月からしか稼働しない決まりになっていました。
しかたなく窓を開けたものの階下では道路工事が行われており大音響と砂埃が酷くて、結局窓は閉める羽目に。
たまたま同館階下の子供施設で熱中症を発症した子供がいたため、急遽エアコンが入りその後は研修を継続することができましたが、もしあのまま高温多湿の中で研修を続けていたら…と思うとゾッとしました。
「値段(会場費)が安いから」と言うのが、公共施設を研修会場として借りるメリットだとは思いますが、思わぬデメリットの発生で、とても研修どころではなく「安物の買い(施設)の、ゼニ失い」にならないように気を付けたいものですね。