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リモート研修のデメリットを克服する事後課題の重要性

以前、このお役立ちコラムで「企業研修には、臨場感、一体感、緊張感が必要」というコラムを掲載しました。
(新型コロナウイルスが蔓延する前のコラムです)

研修は、講演やセミナーと違って「面白い話が聞けた」「役に立つ情報が得られた」「楽しかった」だけでは不十分。
新しく吸収した知識やスキルを職場実践して現在の自分の行動を変容して、成果に結び付けていかなければなりません。
そのために重要なのは「腹落ち(=納得感)」であり、加えて行動変容を起こすためには研修終了後の高いモチベーションが必要となるからです。
だから、研修時間中に、同席してる仲間との一体感や緊張感を通じて研修内容を体感する必要がある訳ですね。

しかし、リモート研修になると受講生は会場に居ないので臨場感はありません。
また、受講生同士で情報や感情の共有はできても一体感を感じるのは難しい。
研修終了後の高いモチベーションも感じることはなく、「はい、終わりました」でミーティングを退出。
WEB上でアンケートは取るものの、研修会場と違って遅くまで残ってアンケートの自由記入欄に伝えたいことを書く受講生はほぼ皆無です。
講師も今一つ手ごたえを感じられず、同様に研修担当者も研修評価がしづらく、どちらかと言うと研修担当者は「(通信トラブルなどの)問題なく、終わってホッとした…」と言う安堵の表情が多いように思います。

つまるところ、受講生も事務局も講師にとってもリモート型研修は「さらっと、終わった」感が強いような気がします。

このコラムで何度もお伝えしているように、講演やビジネスセミナーでは「イイ話しが聞けた」「役に立ちそうだ」などと感じてもらい、サラッと終わっても良いのかもしれませんが(本当はダメなのでしょうが)、前述の通り研修はそれだけでは意味がありません。
オンラインでのリモート型研修によって、たとえリアル対面型研修のような「体感」を感じられなくても、研修で得た知識やスキルを通じて日々の行動変容を促すための仕組みづくりが必要なのです。

2020東京オリンピックにおいて、観客を入れるかどうかの最終調整が進んでいるようです(2021年6月13日現在)。
スポーツでも音楽でも、360度すべて臨場感、一体感に包まれる“LIVE”は私たちに大きな感動を与えてくれます。

それに比較してパブリックビューイングはどうでしょうか。
もちろん、周囲に同じ目的をもった人たちが集まっているために、ある程度の一体感を得ることはできるかも知れませんが、やはり臨場感でいうとライブ会場には劣ります。

家のテレビやパソコンで視聴する方法も、生の情報を画面越しに得ることはできますが、あくまで情報を得ているのであって画面の周囲は日常空間。
同様に今はどこでもスマホの画面で視聴することもできますが、こちらは更に情報を得ることが主になってしまい、画面から周囲に目をそらすと周囲には日常の風景が広がっています。

この光景は企業の教育研修でも同様のことが言えます。

従来のリアル対面型研修、パブリックビューイングに近いオンライン遠隔会場型での研修受講、そして自宅や会社の会議室でノートPCやスマホで受講する個別視聴型の研修受講方式。

一か所に集合して受講する従来のリアル対面型研修だと、360度研修空間なので否が応でも受講生の当事者意識が高まります。
その反面、オンラインで遠くになればなるほど意識の中の距離感によって研修当事者であるという意識が薄まり、受講生が視聴者や傍観者になってしまいがち。
もちろん、どのような形式で参加しても構わないのですが、何度もお伝えしている通り研修では受講後の行動変容が重要です。研修受講時間中の当事者意識が低いのであれば、余計に研修終了後の職場実践が必要になるのです。

そのために使われる大切なツールが『事後課題』です。

研修で学んだことを研修時間中に体感することが出来ないのであれば、研修終了後に実践するしかありません。
今日学んだ知識やスキルを、どのようなシチュエーションでどのように実践してみるのかをテーマとして挙げ、そのテーマに沿って職場で実践してみる。
やってみた結果を次の研修でお互いに発表しあう(これは、オンラインでも実施可能です)。

実施結果を他者からフィードバックを貰って更に次のステップに繋げると言うらせん状の向上ステップが、本来の研修の意図と合致します。
リアル対面型研修がオンラインリモート型に変化しつつある現状において、研修の職場実践は更に重要度を増していると言えるでしょう。

次回は、テレワーク時代における職場実践についてお役立ちします。

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この記事を書いた人

1962年生まれ。大手旅行会社でセールス、外資系企業でマーケティング、人材教育会社でキャリアコンサルタントを経験後に独立起業。管理職を始めとした階層別研修と、部下指導、問題解決、ロジカルシンキングなどのスキルアップ研修の企画運営を行う。起業後20年間で33,000名以上のビジネスプロフェッショナル人材の育成に貢献してきた。
・1級キャリアコンサルティング技能士
・国家資格キャリアコンサルタント
・職業紹介責任者、他、資格多数保有

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