また、また、上司が部下の研修中にオブザーブすることのコラムです。私は、会社役員や管理職など、上司が部下である社員の研修をオブザーブすることに、大賛成です。

なぜなら、研修は単なる知識習得の場ではなく、「組織として何を変えるのか」を共有する場ですから、上司がその場に立ち会うことで、現場との認識ギャップが埋まり、研修のメッセージの一貫性が担保される要素があるからです。
ただし、ここには重要な前提があります。
階層別研修やテーマ別スキル研修は、変容を目的としていますので、中堅社員研修や管理職研修では、必然的に次のようなメッセージが出てきます。
・上司には、部下に支持されるリーダーシップが重要となる
・指導の前提として、相手を変えるのではなく、まず自分が変わる
・上司の率先垂範が信頼の起点になる
・上司こそ自己啓発をしながら、学び続けなければならない
・意思決定と責任を取ることが上長の役割である
これらは、受講者である中堅・管理職に向けた内容であると同時に、実は上層部にもそのまま当てはまる原則です。だからオブザーブする上司にとっては“耳の痛い話”になりがち。上司がこの場にいなければ問題はないのですが、受講生にとってはこれらのことが出来ていない上司が目の前に・・・
ここで上司の姿勢が分かれます。一つは、「自分は対象ではない」と切り離して聞く上司。もう一つは、「自分事として受け止める」上司です。後者の上司は大切なところはメモを取り、研修終了後には「自分にとっても、非常に学びになりました」とお礼の言葉を伝えに来るなど、部下が居る居ないにかかわらず学びの機会を有効活用しようとします。
この違いは何か。それは、研修を単に「部下の学びの機会」と捉えるか、「自分のマネジメントを見直す機会」と捉えるかだと思います。加えて、上司が部下の研修にオブザーブしに来ることは、オブザーブしている姿そのものが、部下に対して強いメッセージになります。部下は「この会社は学びを重視しているのか」「上司は本気で変わろうとしているのか」を、よく見ています。
上司オブザーブとは単なる“見学”ではありません。現場に対する組織や上長からの意思表示であり、その企業、その組織における文化そのもののように感じています。
