受講生に質問をしたり、グループディスカッションや演習結果の発表をするときに、受講生自ら挙手させるか、講師が発表者を指名するか?
ときどき事務局の方から「受講生に手を挙げさせてください」とお願いされるケースがあります。
特に若手社員の研修の場合や、日頃から事務局が受講生の業務に対する受動的な姿勢を何とかしたいと思う気持ちの表れでしょう。
自ら挙手する→積極的。指名されて答える→消極的・・・と、映るのかもしれませんが、実は逆です。
基本的に社会人の企業内研修ではみんな手を挙げたがりません。
手を挙げるのは新入社員か管理職クラス。
新入社員は「積極的に研修に参加しなければ」と言う想いが強く積極的に手を挙げます。
管理職は役職柄「受け身ではいけない」と思っているので、パラパラと手を挙げます。
他の層は恥をかきたくない、解答に自信がないなどの理由で積極的に手をあげるケースは少数派。
最後は沈黙に気まずくなった受講生が手を挙げる・・・と、言うパターンになりがち。
この受講生も積極的と言うより“一肌脱いでくれた”ありがたい受講生と言う存在。
あとは、自己主張するタイプの受講生。しかし、こういう受講生は日常的に会議でもよく発言している積極タイプの方でしょう。
つまり、挙手する人はいつも積極的に仕事や研修に参加しようとするので挙手するし、挙手しない受講生はやはり研修中も挙手しないということ。
こうなると、挙手しない受講生には結局のところ“当てる”と言うことになります。
それならば、「いつ指名されるかわからないのでしっかりと考えなくては、しっかりと討議しなくては・・・」と、全員が指名される可能性のあるやり方のほうが演習やディスカッションへの介入度は高まります。
また、上手な講師は研修冒頭のアイスブレイクから受講生にトラップをしかけて、どの受講生も発言しなくてはならないように仕向けたりしています。